5月22日メディアファクトリーからアラベスク 完全版 3、4が発売されました。
アラベスク mini footnotes
16P
「どうせあたしはいなか者だよ!!」
「きっかなあい!」
きっかなあい→きかない→(言うことを)きかないという意味から、いわゆるきかん坊のこと。北海道、東北地方の方言。
山岸先生は北海道出身なので、先生の初期作品の中では登場人物が北海道の方言を使うことがままありました。
「アラベスク」Ⅰ、70Pでの「自分の時間が特訓でとられてもったいないというの!?」というノンナの胸中の叫びは、発表当初「自分の時間が特訓でとられていたわしいというの!?」という北海道・東北地方の方言でありました。鬼のミロノフの特訓のあまりの厳しさに、ついお国言葉が出てしまった模様。
いたわしい→もったいないという北海道、東北地方の方言。標準語の「気の毒だ」という意味合いはありません。
70年代までに発行された単行本では、「いたわしい」というままだったのですが、その後「もったない」という標準語に差し替えられてしまっています。いたわしいなぁ。
またヴェータの啖呵を切ったセリフも、発表当時は「どうせあたいはいなか者だよ!!」という、70年代の不良少女の一人称「あたい」が使われていましたが、その後「あたし」と言い換えられています。残念だわ、あたい。
111P
おっ、客席に故森茉莉先生の名作「恋人たちの森」を抜け出したパウロとギドウが‥
236P
「それと本...ね」
お~、アーシャの用意してくれた本は「漂流教室」と「イアラ」ですね。赤と白のストライプ。
アラベスク mini footnotes
232P
「ボリシャコワとも組むらしいわよ」「まあ!あの美人で有名な」
ナタリア・ボリシャコワ、実在のバレリーナです。劇中、ミロノフ先生が「ナターシャ」と呼んでいるのは愛称。
最近では2003年に来日して、谷桃子バレエ団の「ライモンダ」を再振り付けしております。
2003年10月8日付朝日新聞の記事欄で、美人で有名なボリシャコワの写真も見られます。すこ~しだけふくよかになられたご様子。
296P 309P
「こうなると第3次の...略...カンジですね」
この審査員は、ラーラが第1部2巻73Pで「マイヤ・プリセツカヤのように映画にさそわれないかしら」とつぶやいてたマイヤ・プリセツカヤです。日本でももうすっかりおなじみですね。現役バレリーナです。
338P
審査員代表 アリシア・アロンソ
実在のバレリーナです。キューバの至宝と賞され、キューバ国立バレエ団の始祖であります。
管理人が彼女を新聞やバレエの本で見かけたときは、いついかなるときも頭にターバンを巻いておりました。当然「アラベスク」ご出演の折りもトレードマークのターバンをご着用です。モスクワ・コンクールの審査員のときのドレスの色は、たぶん深紅。(白黒なのが残念)
最近(でもないけど)では、2002年10月31日の朝日新聞の夕刊でお元気なお姿を見せております、頭にターバン巻いて。
※管理人は「アラベスク」で、初めて知った言葉がたくさんあります。「鶏頭となるとも牛尾となるなかれ」「優越感」「亡命」「狂言自殺」などなど。成長するにつれ、これらの言葉が自分の実人生にかかわってきたものもあります。
手塚治虫氏が「マンガはおやつです。」という言葉を残していますが、自分はこのお言葉を活字が主食であるという意味に受け取っていますが、山岸先生のマンガは何とも栄養豊富です。