岸凉子バレエ劇場第4幕 舞姫テレプシコーラ第5巻

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このページは、管理人が勝手に作った「舞姫テレプシコーラ5」の脚注です。
はっきり言って何の役にも立ちませんが、「舞姫テレプシコーラ」を読んで、バレエに興味を持った方の参考になればなぁなんて思ったわけでは全然なくて、単なる独りよがりです^^;
5P そうか明日桜子ちゃんにいおう
老婆心ながら、実際にバレエを習っているお子さん、もしくはお嬢さんがバレエを習ってる御母様方、こういうことは決して言わないほうがいいです。もう流血騒ぎになります。楽しい発表会が血の日曜日になってしまいます。無血革命を目指しましょう。
「明日桜子ちゃんにいおう」千花ちゃんのこのセリフ、何の他意はないと思いますが、以下、現実の習い事バレエ界に身を置く人には参考になると思います。

発表会の練習などで、「○ちゃんがうちの子の近くに寄りすぎてるから、うちの子が思いっきり足をあげられないのよ〜!」御母様はやきもきしますが、これを○ちゃんの御母様に言ったら最後、「おたくのお嬢さんだって、うちの塀の上を歩いたわよ!なにさ!!」とか「うちの花壇でおしっこしたわよ!」とか、「うちの★ちゃんを孕ませたのはあんたのうちのタマよ〜!キ〜ッ!養育費出しなさいよ!」(ネコか?)とか、あることないこと言い出してもう大バトルにはなるのは火を見るより明らかです。舞台上でのことは御母様方は口を出さないほうが賢明です。

「だって、だって、本当に隣の子のせいでうちの子が踊りにくいんです、本当です!」とどうしても納得できない御母様は、あまり生徒さんのいないところを見計らって、子どもの口から先生に相談しましょう。このとき決して個人名は出さずに「これこれこういう場面で、隣の人とぶつかりそうになるので、先生、一度見てください。」というように言ってみましょう。舞台の広さや構成上の問題で仕方がないこともありますし、先生が確認した場合、本当に踊りづらいのであれば、先生の口からもっと離れなさいとか、注意してもらえます。

先生から注意されなかった場合は、仕方ありません。習い事の発表会の舞台は先生のものなのです。個人の思惑はできるだけ控えましょう。

とにかく、母親同士で子どもの舞台上の位置をああだこうだ言い合うのは絶対避けましょう。
「△ちゃんが前に出てくるから、うちの子が見えなくなるのよ〜キーッ!!」というのは、我慢しましょうね^^;
5P 大地君がお人形を取ろうとする
六花ちゃんが演じているのは大地君のフリッツ役です。男役なので、六花ちゃんはトゥシューズではなく、バレエシューズで踊っています。
7P ~~ひどいひどい(ふるふる)~~ その位 肩をふるわせると 泣いているのがよくわかる
千花ちゃん、振り返ったらシェーカー、振ってたりして(←分かる人しか分からない)
すんません、チャップリンの映画です^^ゞ
9P こうでしょ グラン・ジュテ ポーン
「くるみ割り人形」で、おかしの国へ行く途中で行われる雪の精の大群舞です。雪の精たちがみなグラン・ジュテで移動するので、美しくも迫力のあるシーンです。何度もいいますが、音楽もすばらしいです。
14P 青色吐息で間に合わせたのよ 「ジゼル」ペザント
金子先生、セリフをとちったようですね。まあ、だれだって言い間違えはありますよね。
(ダ・ヴィンチ2003年3月号の初出では、「青息吐息」を「青色吐息」と、金子先生がセリフを間違っていました)
管理人、その昔、会話の中で「男の沽券(コケン)にかかわりますね。」と言いたかったところ、「男の股間(コカン)にかかわりますね。」と言い間違えたことがあります^^;

人から聞いた話「花嫁の角隠し」を「花嫁の金隠し」と言い間違えた人もいるそうな。(ちなみに、「金隠し」とは、和式トイレの前部の半円形の部分のことをいう)そうそう、「団塊の世代」を「ダンコンのセダイ」と読んだ人もいたそうな。青色吐息なんてかわいいもんです。

金子先生の踊ったペザントとは、「ジゼル」1幕で踊られるペザントのグラン・パ・ド・ドゥのことです。
グラン・パ・ド・ドゥの構成は、一般的にまず男女で踊られるアダージョ、次に男性のヴァリエーション(女性はアダージョで疲れているので、いかなる場合も男性が先にヴァリエーションを踊る。男性は疲れてないの?と思うかもしれませんが、アダージョ部分は男性はサポート的な踊りに徹しているので、女性ほどは疲れていない)次に女性のヴァリエーション、最後に男女で派手でテクニカルなコーダで締めくくります。ちなみに、32回転などの大技は、大抵このコーダ部分に含まれています。

この「ジゼル」には、主人公であるジゼルとアルブレヒト王子のグラン・パ・ド・ドゥの形式をとる部分がなぜかありません。もちろんジゼルと王子のパ・ド・ドゥ(2人で踊る部分)はふんだんに盛り込まれていますが。したがって、1幕のペザントのグラン・パ・ド・ドゥは大きな見せ場です。「ジゼル」の中では、ウィリのミルタに次ぐ見せ所ですが、主役2人ではないため、ちょっぴり地味なグラン・パ・ド・ドゥになります。

いずれにしても、「ジゼル」公演で、高校生の金子先生がペザントを踊るのだから、先生、すごいですよ〜!
この女性ヴァリエーション部分は、桜子ちゃんが埼玉バレエコンクールで踊った演目です。
15P 本番はビデオ撮影禁止 リハーサルの日父兄は頑張る
千花ちゃんたちの公演はプロのバレエ団によるものなので、もちろんビデオ撮影は禁止ですが、いわゆる無料のバレエ発表会でも当日ビデオ撮影禁止の教室は多いです。もちろん写真も厳禁です。

これは、写真のフラッシュが舞台進行の妨げになるというもっともらしい理由があります。しかし、もっとも大切なことは、本当のバレエとは、衣装、音楽、踊り、ライト、そして舞台で構成されている生ものだということです。映像などに記録されたものは、正確にはバレエの記録なのです。バレエとは一瞬一瞬の芸術で二つと同じものはない、生まれては消えていき、その残像が心に蓄積されていく芸術なのかもしれません。それゆえ、目の前のバレエをカメラのファインダー越しに記録するために見るのではなく、芸術を体感するためにその二つの目で見るのがもっとも望ましい鑑賞態度なのです。(オペラグラスは例外)
大抵、写真やビデオは専門の業者が入りますので、発表会当日は自分の目で舞台を楽しんではいかがでしょうか。

んなこと言ったって、うちの子、写真にあんまり写らないんだも〜ん!という方、ソロのヴァリエーションを踊る腕前に達したら、いやというほど写真を撮られますよ〜それまで待てなかったら、お借りした衣装を自宅で着せて、お母さんがかわいくお化粧してあげて(実際、舞台化粧して美人になる子は少ない。ナチュラルなお化粧のほうがよっぽどかわいくなるぞ)、カーテンか何かの前でポーズとらせて写真を撮ってあげたらいかがでしょうか。
こういうこと書いたら怒られそうだけど、書いちゃう。発表会の写真、1枚600円から900円はします。サイズはハガキ大くらいね。大きな集合写真になったら、1枚2000円以上はします。

プロのバレエ団による公演で写真を撮ったりビデオを撮ったりすることは言語道断、肖像権違反で立派な違法行為です。
17P 公演のできはバレエ団みんなの良い悪しにかかわるのだから
「良い悪し」の「い」の字が「し」の字の誤植でしょうね。(初出時は「良い悪し」になっていました)
18P 公演を行うMホール
Mホールというと、東京は芝にあるメルパルクホールでしょうか。管理人はここのホールには行ったことがないので、マンガに描かれた外観からは分かりませんです。
19P 休んだのさ N市からここまでは時間かかるから
実は、バレエ公演のために学校休むって珍しいことじゃないんですが、学校側からはどのように思われてるんでしょうかね。
今や、出銭ランドに行くため、親が子供に学校を休ませる時代ではありますけど・・・。
普段の授業を1日休むだけなら、さほど学校側とのあつれきはないと思われますが、例えば運動会とバレエ公演が重なってしまい、運動会を休むとなると、当然、運動会の練習もずっと見学となりますからね。学校側はあまりうれしくはないですよね。修学旅行と重なったりしたら、バレエをとるにしても旅行をとるにしても、かなり葛藤がありますね。そのとき、自分がより大切なほうをとるしかないでしょう。
20P 六花ちゃん来てたの?
この女の子たちは、クララのお友達役と思われます。結構普通っぽい服を着ていますが、これも舞台衣装です。クリスマスイブのパーティが1幕の舞台なので、みんなおしゃれしています。
後ろにネズミの被り物を持っている子がいますが、これがネズミ役です。白黒だから分かりませんが、もちろんネズミ色の衣装です。トゥシューズもタイツもネズミ色。ちなみに、この公演のためにタイツとトゥシューズはそれぞれ購入します。
26P オーケストラ入りました リハーサル始めます
オーケストラは、舞台と客席の間にあるオーケストラピットというところに入ります。客席より低くなっていますので、開幕する前、指揮者が客席にあいさつするとき、オーケストラピットから首だけのぞいているという、「汐の声」のような状態になって、ちょっと恐いです^^;
コマには描かれていませんが、各譜面代に蛍光灯がついていて、舞台で照明を落としても楽譜が見えるようになっています。オーケストラピットは寿司詰め状態ですが、恐ろしいことにグランドピアノが入ってることもあります。「アラベスク」カリンもこのオーケストラピットの中で感窮まって指がとまってしまったのでしょうね。

管理人が「くるみ割り人形」の舞台を初めて観たとき感じたこと、いわゆるパーカッションと呼ばれる小楽器類がこれほどまで効果的なスパイスになるのか!ということでした。トライアングルやタンバリンなど、小学校の音楽室にあるような打楽器が、何とかわいらしい隠し味となって曲を生き生きと活性化させるのかと、レコードやCDでは聞き流してしまいそうなぴりりと効いたアクセントに驚いたものです。
29P このときちょっと右寄りよ ちゃんと中心の印みてね
舞台上には、目印のテープが数カ所張り付けてあります。中心の印や、群舞の人がポジションを分かりやすいようにする印などです。
30P 明日午前中から場当たりだから わたしまたビデオ撮る
場当たりとは、実際の舞台上で立ち位置や照明を確認するものなので、細かな踊りの練習はもうしません。したがって、踊り手もこの場当たりで全力を出して踊ることはありません。ざっと流す感じで踊ります。でも、千花ちゃんたちや子どもたちは真剣に踊るのかもしれないなぁ。
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91P 表紙「四季」より春
(ダ・ヴィンチ2003年5月号の「舞姫テレプシコーラ」の表紙は、単行本5巻のカバーイラストでした。)
「四季」というと、多くの方がヴィヴァルディの「四季」を連想したかと思います。ですが、バレエでは一般的に「四季」というと、グラズノフの「四季」を指します。ただし、おフランスの大家、ローラン・プティという振付家がヴィヴァルディの「四季」を振り付けておりますので、う〜ん、どちらでしょうね。(多分、グラズノフだと思うけど)はい、管理人はグラズノフの四季もヴィヴァルディの四季も見たことがありません。ちなみに、グラズノフはライモンダの作曲もしおてります。ヴェータが、ナターシャのまねをして、手首を折り曲げて踊ったやつね。クスクス、ナタリア、やられたわね。
38P でもはじめての生理だし わたしの最初の時は・・・
一般的に、初潮を迎えたからといって、すぐに定期的に排卵が起こって規則正しい月経が開始するわけではありません。金子先生が言うように、痛いとかダルイと感じ始めるのは、もうちょっと軌道に乗ってから(?)と思われます。
また、初潮時の出血量はさほど多くないと思います。初めての出血に驚いて、多く感じてしまう心理的な要素もあるでしょうが。
不幸中の幸い、千花ちゃんの衣装は月経時の手当をしていても、特に支障のない衣装です。クラシックチュチュのように、足を上げると股上部分が丸見えの衣装ではなくて、ワンピースおよびネグリジェ風の衣装ですので、股上部分はさほど露出されることはありません。
39P ※この場のソリストは二人で踊る
雪のソリストは、コーラスが入る場面で踊られます。♪あ〜あ〜あ〜あというところ。(分からないか^^;)
二人のソリストがそれぞれ左右対称にまったく同じ振付で踊りますので、もちろん同等の力を持ったダンサーが火花を散らして踊ります。ジュテ・アントルラセ、あたしのほうが後ろ足を高く上げるわよ〜!
42P あ これ 雪の場面で使う紙吹雪?
四角い箱の底はふるいになっていて、箱に紙の雪を入れ、天井からその箱を揺さぶって雪を降らせます。そうすると、ちらりほらりという感じで雪が降ります。花坂爺さんように手でばらまくと、局地的大雪になってしまいます。
43P まだ教えに徹するにゃ早すぎるだろ
バレリーナという職業が成り立たない我が国では、現役のバレリーナがバレエ教室の先生を兼ねるのは常識です。
金子先生のように、バレエ団から派遣される先生もあれば、個人のバレエ教室で、生徒から先生に昇進する例も多いです。ただし、厳しいことを言ってしまうと、経済的に自立できるほどのお給料をもらっているかどうかは、はなはだ疑問です。また、アシスト先生が独立して教室を持つ場合、めぼしい生徒を引き抜いたりして・・・ピーーー

このシーンで金子先生が持っている羽付きの帽子は、1幕のネズミと兵隊の戦いのシーンの兵隊の被るものです。兵隊さんを踊る子たちは、クララのお友達役の子たちよりはちょっと実力が足らないけれども、ネズミ役の子よりは技術を持っている子たちという感じでしょうか。もちろん、子どもたちの年齢や身長も考慮されます。
43P あれはハレーキン役を踊る人だよね
ハレーキン(harlequin)とは、いわゆる道化のことです。「くるみ割り人形」では、アルルカン(arlequin)と呼ぶことのほうが多いと思っていましたが、ピエロ(pierrot)とプログラムに出てることもありますね。
ハレーキンは、1幕のクリスマスパーティの席で、ドロッセルマイヤーさんが箱から取り出して踊らせるお人形です。このほかに、一般的にはコロンビーヌという女の子のお人形、ムーア人のお人形(黒ん坊というときもある。差別用語はご容赦)などが、次々と箱から取り出され、技巧的な踊りを披露します。

くるみ割り人形の1幕は、子どもの群舞、大人の社交ダンスなどが多いので、テクニカルな踊りはこの人形たちの踊りに集約されています。よって見せ場でもあります。

くるみ割り人形の公演では、親子連れのお子さんのほうが親御さんに、「あれって本当にお人形なの?」と問うたりしている、微笑ましい光景が会場内で見られます。

ハレーキン役の男性が身につけているダイヤ柄の衣装は、舞台衣装です。これに仮面をつけたりします。
45P 欲をいえば もうちょっと背が……
管理人は、アルルカンや白鳥の湖の道化など、小柄な男性がバネのような軽々とした動きを見せる軽快な踊りが大好きです。小柄なほうが、道化のひょうきんさを表現しやすいと思います。逆に、180p以上もある大柄な男性ダンサーが「白鳥の湖」の道化を踊ったりすると、どうも舞台が落ち着かない雰囲気になってしまう。(そう思うのは私だけか^^ゞ)
もう10年以上も前になると思いますが、日本バレエ協会公演の岩田守弘さんの白鳥の道化は素晴らしかったです。もちろん小柄ダンサーです。
45P 今のうちお昼食べよ
ゆ、六花ちゃ〜ん、会場内は飲食禁止だよ〜ゲネプロでも、ちょっとやばくない?お母さんがいたら、きっと叱られたと思う。
バレエを習ってる子及びその御母様方、発表会やリハーサルで衣装をつけたら、一切の飲食は控えましょう。
(パ・ド・ドゥクラスになったら、水分補給は必要と思われるので、この限りではない)
49P アラビアの踊り
すみません、突っ込みます^^ゞ

アラビアの踊り子たちが頭上に掲げている布は、極細極軽の化繊で織られているシフォン状のものです。
これを上下することによって、布が空気を含んで空中にまぁるくふんわりと形成せられる模様と、ダンサーたちの動きが一体となって織りなす官能的な踊りがアラビアの踊りであります。
こ、これでは布が短かすぎ^^;布が空気を含む以前に、前のダンサーにぶつかってしまいます〜

管理人は、正方形の大きな布を持って踊るアラビアの踊りも見ました。男女のパ・ド・ドゥもありますし、キーロフバレエ(ノンナのいたバレエ団です)では、大きな布を持たずに、個々の踊り子が両手の指に細長い化繊の布をつけて、それが手を上下するたびにコーヒーの湯気のように空にゆらめくような振付の演出もありました。
50P 千花ちゃん アシ笛もきまってる
千花ちゃんの衣装が1幕と違っているのにお気づきでしょうか。
これは、お話のほうで、クリスマスパーティが終わってクララがベッドに入ったころ、広間でネズミと兵隊たちの戦いが始まったので、異変に気づいたクララがネグリジェで広間にかけつけたためです。
53P 拒食症・・・やっぱり ひとみちゃん・・・
「舞姫テレプシコーラ」第1巻冒頭で、お父さんがカレーを作り、「育ち盛りなんだからたくさん食べなさい」と盛りつけたところ、「わたしの苦労ちっともわかってない」と千花ちゃんが自分の分のカレーライスを減らしてしまうシーンを覚えていますでしょうか。
普通の保護者なら、育ち盛りの子どもがダイエットしようとするものなら、せいぜい間食をやめさせるくらいで、三食の食事はきちんととるように勧めるでしょう。思春期は背も伸びますし、運動量も活発で消費カロリーが大変なものなので、食べすぎなければ太ることはないのです。また、20歳前後の女性は、進学や就職で環境が変わると自然にやせていくものだと、母親たちは自分の経験で知っているので、思春期の子どもにダイエットなどは必要ないと思っているのです。

ひとみちゃんも、コンクール時の注釈にあったとおり、「ちょい太め」程度で、決して太っている少女ではないのです。ところが、バレエを志す者は痩せすぎているくらいが舞台ではちょうどよく見えるものです。普段レオタード姿しか知らない子の私服姿を見たりすると、あまりの細さにびっくりします。レオタードでは、何となくやせていて当たり前という印象を受けるのです。それゆえ、ほんの少し太めの人は、バレエ衣装を着ると太って見えてしまいます。

当然、ひとみちゃんのお母さんは、普段から食事に気を使っていたと思います。ひとみちゃんが吐いていたことをお母さんが知っていたかどうかは物語のこの時点では判断できませんが、娘がやせてきて心配するよりは、スマートになってひとみちゃん以上に喜んでいたかもしれません。

聞いた話ですが、吐き癖がつくと、胃液で前歯が溶けてしまうそうです。ひとみちゃん、何とか立ち直ってほしいですね。
56P 篠原先生のところもラッキーよね
急な代役がまわってきて、混乱している篠原ママと六花ちゃん。おもしろくなさそうな五嶋先生。何でおもしろくないのかな?
物語の進行で周知のように、五嶋先生は篠原姉妹、篠原ママ、関連して金子先生に余りよい感情を抱いていないのはたしかなようです。ジュニアクラスで、ただ一人だけ公演に参加できないはずだった六花ちゃんは、それでも千花ちゃんのため(というよりは、自分が踊りたいからだと思うけど)クララのお友達の振付を覚え、千花ちゃんと共にレッスンし、精進を怠らなかった様子。努力してつかんだ幸運といえましょう。(ひとみちゃんは残念ですが)
しかして、五嶋先生は六花ちゃんがラッキーなのではなく、「篠原先生のところ」と言っております。何故??

はい、カテゴライズ名物、妖怪劇場のはじまり、はじまり〜
バレエを習っているお子さんは、教室を替えることが少なくありません。そうして、必ずと言っていいほど、教室を替えるのは御母様の一存で決まります。電信柱が高いといっては先生を替え、空が青いといっては先生を替えます。一緒に入ったお友達が、発表会で明らかにレベルの高いグループに入り、うちのミケコは低学年の子のグループに入れられたわ〜キーッ!先生がうちのトラコを埼玉バレコンに出してくれないわー。やめてやるーー!といった、バレエに携わったことのない人には理解不能な理由も中にはありますが、熱心な御母様方の中には、ひたすらレベルの高い教室を探して放浪する親子も多いものです。

レベルの高い教室、それはどういったものでしょうか?
なんといっても、バレエを習わせている御母様方はさほどバレエを見るのが好きなわけではないので、自分でレッスンなり発表会を見て判断するのはこころもとない。それゆえ、客観的評価を基準とします。その客観的評価が、コンクールに何人出てる、外国に留学した生徒がいる、バレエ協会の公演に出た、○○バレエ団の公演に子役で出た、などということがよいバレエ教室かどうかの判断材料になってしまうのです。レベルの高さという見地からすると、おおむね間違いでもないのですが・・・

バレエ母の間では、上記のような情報が口コミでインターネットよりも早く広まります。弾丸よりも速く、高いビルもひとっとびです。そして、うわさの教室のレッスン見学しようものなら、うちのミーコちゃん、この教室で一番うまくなるんだわ〜と目をハート型にして、とっとと教室をかわっていきます。ハードなレッスンについていけないとは、夢にも思いません。
新しい教室で、先生から「ミーコちゃんは基本ができていません。」などと言われようものなら、御母様、欣喜雀躍、天にも昇る気分。「こ、この先生なら、うちのミーコちゃんをうまくしてくれる〜」と小躍りします。前の教室で、先生はちゃんと基本を教えてくれたけれども、ミーコちゃんがそれを習得できなかったなどとは考えも及ばないのです。

というわけで(前置きが長すぎ)バレエ団公演に子役で出演する生徒さんがいるバレエ教室は、それだけで巷のバレエ母の評価が高くなるものなのです。

反面、バレエ団公演で、わけもなく子役がわらわら出てくると、ちょっとげんなり・・・ジュニアに舞台を数多く踏ませたいのだろうけど、バレエ好きの客は、大人の完成した舞台を楽しみたいと思う人が多いと思うのですが。
64P この袖 首が短かく見える〜(汗)
物語の冒頭で、バレエピアニストのよし子先生が、「千花ちゃん、手足長くなりましたね」と言っていたのを覚えていますでしょうか。平成の御代、生活の欧米化の影響もあり、子どもたちの身長は伸び手足も長くなりましたが、余り変わらないのが首の長さです。どうも、日本人は首筋が短く、優雅な肩の線につながるスタイルには至りません。(Chineseは首が長くて、美しい玉子型のお顔をしていますね)

バレエにおいて首の動きというのは結構重要で、首の短さゆえに動きが今ひとつという感が否めません。
バレエ「ライモンダ」(上でも言ったけど、ナターシャが手首を折って踊ったやつね)や、白鳥の湖のチャールダッシュと呼ばれる民族舞踊によく見られる独特の首を振る動き(この首の動き、なんていうのか分かりません^^;)、これが首の短い日本人は余り得意ではないようなんです。

六花ちゃんの衣装、もともと余り長くない首にハイネックはちとつらいのですが、欧米のクリスマスのパーティドレスが舞台衣装なので、致し方ありません。
この1幕の子どもたちの群舞、当然といえば当然なのですが、日本人の公演では髪の毛がみんな黒です。欧米人の公演だと、髪の毛の色はさまざまです。
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71P 千花ちゃんをああは踊らせられないかも
要求を高くすると、その要求に応えようと、なお一層努力する子もいますが、ほんの少し後押ししてあげれば、自分で無意識に目標を高めて努力する子もいるのです。そして、一つの目標を成し遂げると、もう少しだけハードルを高めて、新たな目標にするといった感じ。六花ちゃんはこのタイプじゃないかな。
千花ちゃんをああは踊らせられないかもしれないけれども、六花ちゃんをああ踊らせたのは金子先生のご尽力です。つまりは、レスナーと生徒の相性によるところも多大に関係してくるのです。
73P ふん なかなかやるじゃない ほ ほめられた!?ウキ♪
六花ちゃん、読解力ありますね。管理人、「ふん」とかああいうシチュエーションで言われたら、ほめ言葉とは解釈できないかも。
管理人は、このセリフを読んだとき、「アラベスク」1部のアーシャのセリフを思い出しました。
「あの目は……挑戦してる目よ」

というのも、「ふん」とか、どう見ても教え子に言う言葉とは思えません。つまり、五嶋先生は六花ちゃんを1人のダンサーとして意識した言葉ではないかと・・・(うがちすぎ?)
74P ドロッセルマイヤーはいつも妖し気…なぜ?※いろいろな解釈があります
はい、ご期待にお応えして、カテゴライズで分析します(って、だれも期待してないわな)
実は管理人、このfootnotesはほとんど資料なしに、思いつくまま、適当〜に好き勝手なことをつらつら書いていて、ものぐるおしけれって感じなのです^^ゞですから、間違いや思い違いも多々あると思うのですが(といいわけしておいて)ドロッセルマイヤーさんは魔法使いとか、人形使いとか、ひどくなるとチャイコフスキー本人だとか、そういうのは何かで読みました。あと、振付家のドロッセルマイヤーさんがクララに劇場の裏方のhow toを見せていくストーリーという版もあったはずです。ドロッセルマイーヤーさんは、くるみ割り人形の王子のおじさんとかいうのもあったなぁ。片目を黒い眼帯で被っているドロッセルマイヤーさんは、いかにも妖しげ。(この舞台では眼帯をしていませんが)
78P パーティ場面終了 ネズミちゃん 用意して
こっ、これは・・・
「舞姫テレプシコーラ」5巻20Pのネズミの被り物をしてないじゃ〜ないですか。
ど、どうして!?
管理人、またまた余計なことを書いてしまいます^^;
せ、先生!うちの(世界一かわいい)kinaちゃんのお顔が、ネズミの被り物で見えなくなっちゃいまっすぅ〜
先生〜どうにかしてください〜kinaちゃんの(銀河系一)かわいいお顔を見せるようにしてください〜と藤田物産の奥様にせがまれて、先生、子どもらの(宇宙一かわいいとやらの)お顔が見えるようにした・・わけじゃねえだろな。

父兄にああだこうだいわれて、言いなりになってしまう先生は、余りいい指導者とはいえません。
81P ネズミの王登場
背景のクリスマスツリーが巨大化したことにお気づきでしょうか。
74Pの客間のクリスマスツリーと比べてみてください。明らかに、大きすぎるツリーですね。
くるみ割り人形の実際の舞台を見たことがある方はすでにご存じと思いますが、このクリスマスツリーは、クララが夜の夜中、客間の異変に気付き階下へ降りていったところ(80Pの千花ちゃんです)みるみるツリーが巨大化していきます。
そう、もちろん、実はツリーが大きくなるのではなく、クララが小さくなっていく、つまりは対比の問題なのです。
そうして、ネズミ軍と鉛の兵隊の飽くなき戦いが始まるといった具合です。
81P まだキャンドル・サービスがあるんだから
クリスマスの歳時記となりつつあるバレエ「くるみ割り人形」は、舞台の幕が下りた後、ファミリー向けにいろいろな趣向がこらしてあります。オーケストラがクリスマスソングを奏でたり、舞台のダンサーたちがお花を客席に配ったり。
合唱団が参加している場合は、賛美歌を歌ったりします。

貝塚バレエ団の催しはキャンドル・サービスらしいですね。
82P ※この場合、金平糖の相手役王子とは別人
バレエ「くるみ割り人形」のストーリーは、ヴァリエーション豊富なことを念頭に適当なことを書き散らしますが、ねずみの王の魔法でくるみ割り人形にされていた王子様は、クリスマスの夜、クララの家の客間でネズミ軍と一戦交えます。くるみ割り人形は鉛の兵隊たちの大将です。くるみ割り人形の軍は苦戦しますが、クララの機転でスリッパを投げつけられたネズミ軍は、たちまち三々五々壊滅してしまいます。(調子いいストーリーだけどね)この戦いの場面では、くるみ割り人形の王子様は醜いお面をつけております。

この後、煙幕が立ちこめたり、ドロッセルマイヤーさんが大きくマントを広げたりと舞台によって様々ですが、くるみ割り人形が本当の王子様に変わります。醜いくるみ割り人形の仮面をつけた王子様が、あ〜ら不思議、素敵な王子様にへ〜んしん!
管理人が今まで見た舞台では、この時点で王子様がコクリューシュ王子になることが多かったのですが、貝塚バレエ団の演出では、クララのパ・ド・ドゥもくるみ割り人形の王子様と踊るみたいですね。どうやらおかしの国へたどりつくまではくるみ割り人形を演じたダンサーがそのまま王子様を踊る様子。

つまり、くるみ割り人形=王子様なのですが、ネズミとの戦いの場面のくるみ割り人形の王子様と、魔法が解けた後の(くるみ割り人形ではなくなって、醜い仮面を外した)王子様は別のダンサーが踊るのが一般的なのです。

第二幕の金平糖の精と王子様のグラン・パ・ド・ドゥは最大の見せ場であり、男女ともにバレエ団のプリンシパル(第一舞踊手)が踊ります。くるみ割り人形と王子様は別々のダンサーが踊るのは、まあ、はっきりいっちゃうと、プリンシパルが醜い仮面をつけてぎくしゃく人形の役なんて、やなこったという感じかな?(暴言)

貝塚バレエ団のくるみ割り人形では、くるみ割り人形及びクララとのパ・ド・ドゥまではロシア帰りの王子様で、第二幕のグラン・パ・ド・ドゥはロイヤルバレエ団のゲストダンサー、平沢徹也さんが踊るようです。
P84 拍手だ!お客さんもわかってる
クラシックコンサートでは、曲が終わるまで拍手はしないというか、してはいけないようです。楽章の切れ間でも拍手は厳禁です。知らない曲を聴きに行ったら、指揮者が振り向くまでは拍手をしないほうが無難です。
(管理人、チャイコフスキーの6番3楽章で客席から拍手が起こったとき、4楽章の存在を知っていたよかった〜と、その昔、痛感したことがあります。)

ところが、バレエでは、観客がすごい!とか、素晴らしい!とか、感激!とか思ったら、その場で拍手してもまったく構わないのです。とはいっても、自分一人が見ている舞台ではないので、雰囲気を読めば拍手できない、しないほうがいい場面も多々あるのですが。(たとえば、オデットのアダージョなどは静謐の舞台です)

一般的には、ソリスト級の登場シーン、大技が決まったシーン、ソロやソロに準じるトロア(3人)、カトル(4人)の登場、エンディングなどで客席から拍手が起こります。千花ちゃんに送られた拍手は、リフトが決まった、つまり大技が決まったから客席から起こった拍手です。
32回転の手拍子については・・・正直いうと、迷惑^^;

管理人、グラン・ジュテや回転技などは自制がきくのですが、ポアントの大技を見ると、思わず拍手してしまいます^^ゞ
84P 王子様が踊りやすそう!
これはすごいですね。中学生の少女が男性ダンサーと踊る場合、男性ダンサーの力量により出来不出来が生じてしまうのは、発表会などを見るとあきらかです。(それゆえ、バレエ母たちは死闘を繰り広げる。キーッ!もっとリフトのうまい人がいいのにっーーー!)
「女の子が踊りやすそう」と見ている人が思うのが普通だというか、管理人は発表会でのゲスト男性ダンサーの存在価値は、素人の女の子をどこまで踊らせることができるかだと思っていたので、この「王子様が踊りやすそう」という感想はすごい新鮮でした。(貝塚バレエ団の公演とはいえ、千花ちゃんの年齢を考慮すると、発表会と比較せざるを得ないのです。)

はっきり言っちゃうと、それだけ発表会などでは王子様が踊りにくそうにしているということなのですが・・・

余談ですが、リフトを落としてしまったり、ピルエットをささえきれなかったりしたら、クラシックバレエにおいては、すべて男性ダンサーの責任になってしまいます。
85P 王子に手をそえてもらっているとはいえピルエット4回転!
このピルエット、いかにも軽々とくるくる回っていますが、習い事レベルでは、王子のサポートつきで2回転、きれいに回ればそれで拍手ものです。

よくマンガや挿し絵などで、原始人の生活の様子とかいって、木の棒を両手のひらで挟んで、くるくると回し付けて火を起こすものがありますよね。
あれを連想しましたよ、無理なピルエット、発表会などでよく見られるシーン。男性ダンサーが女の子で火を起こそうとしてるのかいな?(暴言)
アラベスク1部のミロノフ先生が、見ている人に気付かれずにマチューを2回転ほど多く回すというシーンが浮かんでしまうのです、下手なサポートを見ると・・・(もちろん、回ってるほうの技術不足もあるのですが)
94P トンベ
マンガのセリフは声を出して読むことが少ないので、間違ったアクセントで読んでることもしばしあると思いますが、この「トンベ」、皆さん、どう読んでます?「ト」にアクセントを置いていませんか?

その昔「飛んでイスタンブール」というヒット曲があったのですが、この「飛んで」と同じアクセントです、「トンベ」。
管理人、飛んでイスタンブールへ行きたい^^;
六花ちゃんがやたらに「雪」を意識し、先月号では小道具の雪まで出てきたので、管理人ももちろん某バレエ団のダンサーを連想しましたが、こんなストレートな展開になるとは・・・いやはや何とも(涙)
ちなみに、「六花」とは雪の結晶のことらしいですね。資料もなしにまたまた適当なことを書きますが、たしか日本でのくるみ割り人形の初演は、雪の場面だけを独立させたもので、題名に「六花」の字がついていたと思います。
家の中を探せば、どこかにそれが書かれている本やら雑誌やらを見つけることができると思いますが、それをしていると、またまた更新が遅れますので、ここらでお茶をにごします^^;
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87P 表紙 黎明王女(オーロラ姫)
(ダ・ヴィンチ2003年7月号の「舞姫テレプシコーラ」の表紙は、単行本5巻の2Pのイラストでした。)
「眠れる森の美女」のオーロラ姫のヴァリエーションです。1幕と3幕にそれぞれオーロラ姫の魅力的なヴァリエーションがありますが、コンクールなどでは圧倒的に3幕の結婚式のヴァリエーションが多いです。野上水樹ちゃんの名前のモデルとなった実在のバレリーナ上野水香さんも、このヴァリエーションでローザンヌコンクールのローザンヌ賞を受賞しております。毒舌ベッシー先生は、水香さんのことを「この子にはホロリとさせられますね〜」と絶賛していました。「ホロリ」って、フランス語でどう言うの?

管理人、寡聞にして黎明王女という言葉は今まで知りませんでした^^ゞ
102P だ 大丈夫 あ…歩けます
私たち読者は、先月号で千花ちゃんが転倒してしまってから、1ヶ月の間をおいて続きを読んでいます。それゆえ、結構長い時間千花ちゃんが倒れていたのではないかと錯覚しがちです。しかしながら、実際の舞台上の時間では千花ちゃんが転倒、それを男性ダンサーが確認、瞬時に一番流れを崩さない最良の方法を男性ダンサーは判断し、千花ちゃんに踊りながら近づき、立ち上がるのをサポートしようとします。これはほんの数秒間の出来事と思われます。

ダンサーの転倒はあり得ないことでありません。まして、舞台上の小さなトラブルは日常茶飯事です。それを皆さん、プロですから、観客に気付かれないうちに軌道修正しています。見事です。
108P 振り付けのZ先生
ローザンヌコンクールの規定は年々多少の変更がありますが、2002年度のコンテンポラリーでは、5人の振付家による課題曲のうちから、1曲を選ぶというものでした。2003年度では、コンテンポラリーの課題曲5曲の中から1曲を踊るか、フリーと呼ばれる、各出場者任意の作品を踊るかの二者択一でした。もっとも、この場合のフリーの演目は1950年代以降に振り付けられたものという条件つきです。

この「振り付けのZ先生」とは、その5人の振付家の一人、ヨース・ザバラ先生のことかしら??
とはいっても、コンクールの振り付けそのものは、準決戦辺りで初めて公開されるらしいので、高名な先生からモダンのレッスンを受けただけであって、振り付けそのものを依頼したわけではないだろうな。

ちなみに、1993年、上野水香さんがローザンヌコンクールに出場したときのコンテンポラリーは、「祭典の舞」というもので、曲は長沢勝俊さんという方、振り付けは小倉佐知子さんという方のものでした。「ジャポネ」という感じ。ベッシー校長がけちょんけちょんにけなしていました^^;この頃の日本人のコンテンポラリーは、クラシックバレエの枠を超えた振り付けが余りできなかったように思うのですが・・・

話がそれますが、毒舌ベッシー先生の批評で管理人に一番受けたのは、何年かは覚えていませんが、ある男性のバジルのヴァリエーションです。

「この子は顔がよくありませんね〜」

ほんとに、フランス語でそう言ってんのかいな。
108P 朝から府中のほうへ
府中とは、東京都の府中市のことですが、その府中市にある「府中の森芸術劇場」のリハーサル室と思った方、いるでしょうね〜^^;管理人は「府中」とは、府中市のことではなくて、府中の森芸術劇場のことだと思ってます。
水樹ちゃんは、京王線で新宿へ出て、新宿から山手線で浜松町へ向かったものと思われます。
112P 今回の橇は画家のU先生にデザインを頼んだのよ
管理人は、このセリフを読んだとき、これが日本のバレエ界なのだな〜と、ほんのちょっと忸怩たる思いがしました。(ごめんなさい)
というのも、物語上で判断するに、この貝塚バレエ団の「くるみ割り人形」公演は、土日の2日間の公演らしいのですが、たった2日間の公演のために、高名な画家に橇のデザイン依頼するほど金をかける豪華な舞台。もちろん、団のほうから、門下生の教室の発表会へ貸し出したりもするでしょうし、この後も何年かは使用するのでしょうが。
それにしても日本は金持ちだ。
いつもなら、ここでU先生とは画家の○○でしょうと蘊蓄たれるのですが、管理人、舞台芸術や画家の方々は全く知りません^^ゞ
管理人が頭に浮かんだのは某有名グラフィックデザイナーなのですが、そういう方は舞台も手がけるのかな?
114P いいか六花 富樫先生と一緒に橇に乗って舞台を横切るだけだ
バレエを見ない人の中には、本当にそれだけと思う人もいるかもしれません。飛んだり跳ねたり回ったりはしないということで、橇に乗ったクララは、もちろん棒立ちしているだけではありません。

王子様(この場合はドロッセルマイヤーさんですが)は、おかしの国へクララを導く水先案内人として、右に左にゆっくりと世界を見回して、クララを案内します。クララもそれに応えて、王子様と目を合わせたり、手を広げて世界を確かめたりします。つまり、橇に乗ったクララには、踊るよりも難しい演技が要求されるのです。顔の表情と上半身で夢の世界への憧れ、期待、王子様との楽しいお菓子の国への旅の道中を表現するのです。
六花ちゃんがどう演じるか、とっても楽しみですね。
117P 水樹が間もなくH駅です
Mホールをメルパルクホールと仮定すれば、H駅とは山手線の浜松町駅と思われます。この浜松町駅は、羽田空港へ行くモノレールの始発駅でもあります。
117P リーン ゴーン 予鈴だ いそいで
予鈴と本鈴とありますが、予鈴はだいたい本鈴の3分くらい前に鳴ります。予鈴が鳴ったら、ホワイエやロビーに出ていたお客さんは席に戻ります。トイレに並んでいて、まだ用を足せなでいる人はあせりまくります^^;このとき、空いている男性トイレへ駆け込む女性がいるのには驚き!

演出によっていろいろありますが、バレエは本鈴のあとオーケストラが演奏を始め、しばらくしてから幕が上がることも多いので、「みんな位置について下さい」とスタンバイしているときや、六花ちゃんが舞台裏を走って下手へ向かっていたときは、既にオーケストラの曲がはじまっていたものと思われます。

この前奏部分、結構長いのですが、心弾むひとときです。するすると幕が上がると、わぁっときらめく世界がそこにあって、オーケストラ音楽も俄然盛り上がります。コールドが美しく踊り出すと、もう夢の国・・・わぁ〜ん、バレエを見に行きたくなっちゃったよ〜〜
121P みんな位置について下さい
このコマに描かれている、黒いシルエットの羽付き帽子を被っている人の役柄はいったい何だろう?管理人、分かりません^^;何か、ジゼルのヒラリオンみたいだなぁ。
124P 走りなさい 走って向こうへいくのよ
この五嶋先生のセリフ、バレエの舞台に余り明るくない方はどのように受け止めたでしょう?も、もしかして、運動会よろしく、猛スピードで舞台上を駆け抜けると、観客に気付かれずに上手へ行けるかもしれないのかな?と思った方、いませんか?え?そんなこと、だれも思ってない?そうですよねぇ〜ほっ・・・

管理人の勝手な解釈です。
この場合、五嶋先生の「走りなさい」のセリフは、クララが片手をアンオー(上方)しながら、ほんのわずかに体を左右に揺さぶりながら膝を曲げないで走る、いわゆるバレエ走りで下手から登場。(このとき、走り出す前に、舞台袖でエポールマンと呼ばれる肩を回すプレパラシオンをすると尚よろしい)
舞台上を観客席に向かって大きく弧を描くように走り、クララが下手から登場したのを確認した舞台係が機転をきかせて橇を上手からほんの少し引っぱり出す、クララは橇の前でくるりと観客席側を向く、ポーズで止まり、ドロッセルマイヤーさんがゆっくりとクララをエスコートして橇に乗せる、二人、顔を見合わせ、橇が静かに滑り出す・・・

というのを連想したのですが、よ〜く見ると、「走りなさい」の前のコマ、鳥山先生やドロッセルマイヤーさんが描かれているコマでは、橇の前に紗幕が下りているではありませんか!ということは、クララは上手に一度引っ込まないと、橇には乗れないのですね。
そうなると、ただクララが舞台上を下手から上手へ走り抜けて、その後、橇に乗って登場すると、ちょっとおまぬけな感じ、察しのいい客なら、クララが出を間違ったと感づいてしまうでしょう。

六花ちゃんがグラン・ジュテで舞台に登場したのは、演出の一環として下手からクララが登場したのだと観客に思わせるための、ダンサーとしての本能なのです。そしてもう一つ、観客が雪の場面でクララに異変があったことに気づき始めています。踊り手は観客の心を舞台に釘づけにして、疑問を忘れさせる義務あるのです。(って、ミロノフ先生のセリフや〜)
千花ちゃんと高さの変わらないジュテで舞台に登場した六花ちゃん、観客はだれも代役とは気づかないでしょう。クララがケガしたかな?と思った観客も、あれは私の思い過ごしだったのねと、その後の舞台を楽しむことができるのです。
124P どうする! あのバカ
コマが前後しますが、このコマに紗幕が描かれているので、ちょっと説明。

鳥山先生の体の上に縦線が走っていますが、これは橇の前に紗幕が下りているということです。
紗幕とは、舞台を見たことのある人なら当然知っていると思いますが、半分向こう側が透けてみえる幕で、演出上の効果を狙って使用されるものです。

向こう側がはっきり見えないので、紗幕が下りている間は舞台は続いていますが、舞台裏では大道具の配置替えなどが行われていることが多いのです。けれども、この貝塚バレエ団のくるみ割り人形では、背景の少し手前に紗幕が下りているので、完全に効果に使われているものと思われます。
橇が高名なU先生に依頼して作られた新品らしいので、この橇をよりよく観客に見せるためにも、紗幕は橇が登場すると、途中で上がるんじゃないかな。

管理人はつらつら思い出してみたのですが、この紗幕、記憶にあるのは大抵一番前の幕と同時に使われていました。つまり、一番観客側に近い幕です。貝塚バレエ団のように、背景のすぐ前に紗幕が下りているのは記憶にないなぁ。って、ほんというと、バレエを見てる間は、ほとんど紗幕なんて気にしてないのが実状なのですが^^ゞ

ただ、新国立かどこかで、「眠り」にすごい粋な使い方をしていたのを覚えています、この紗幕。オーロラ姫が糸車の針を指に指してしまうシーンを、この紗幕を使って文字通りおとぎ話の一遍のように、幻想的に表現していました。
128P クララがグラン・ジュテで舞台を横切って来る!
六花ちゃんのグラン・ジュテ、左手をアンオーして、左足踏切の右足ジュテですね。グラン・ジュテは連続する場合、右足ジュテのあと、着地した右足からまた1歩、2歩と助走して、2歩目が踏み切りになり、3歩目でまたジュテになります。つまり、右足ジュテ、左足ジュテと交互に飛びます。
ただ、この六花ちゃんのグラン・ジュテは正確な振り付けによるものではない、とっさの機転によるものなので、得意の右足ジュテだけにしちゃうのかな??

舞台袖に見える、ロマンチックチュチュに花のついた衣装のお姉さん方は「花のワルツ」のダンサーですね。この曲は大変有名なので、バレエを見たことのない人でも、聞くと、ああ、これかと思いますよ、きっと
日本のバレエ団は男性ダンサーが少ないので、この花のワルツは女性だけの群舞で踊ることが多いのですが、外国のバレエ団では男女入り乱れての華やかなワルツになります。

一番後方のカーテンに半身だけ見えてる子は「中国の踊り」のダンサーです。「お茶の精」とも呼びます。
くるみ割り人形のグラン・パ・ド・ドゥのアダージョの音楽はあることで有名なのですが、そのあることとは、音階のドレミファソラシドが主要なメロディラインになっているということです。ド〜シラソファ〜ミレドと、これを何度も繰り返すのですが、オーケストラの編成で、そんな単純ものではない、かなりドラマチックな仕上がりになっています。

ところで、この「中国の踊り」にも音階の小技が使われています。
原調は変ロ長調の4分の4拍子なのですが、オープニングは何と7連符のドレミファソラシで始まり(装飾音のように聞こえます)♪ド〜シラソ〜(トリル)ファソ ラッ ソミドソミ(5連符)ド と主旋律につながります。もう、木管楽器ならではのスケールの聞かせどころです。鋭角の坂道を一気に駆け上がったり、降りてきたりするようななめらかさで、フルートの妙技といったところです。トリルも美しくもかわいらしいです〜もうべた誉め!
六花ちゃんを混乱させた「ち ちがうわよ クララはあっち側からよ」のセリフですが、管理人は六花ちゃんの勘違いだと思っています。「あっち側」というのは、舞台上手袖の中のあっち側という意味で、下手のことではないんじゃないかな。
篠原姉妹にいい感情を持っていなかった五嶋先生さえ、下手で六花ちゃんを発見したときの戸惑いの表情からは、舞台を絶対いいものに仕上げたいというプロ意識がうかがえます。急な代役の六花ちゃんを陥れようなんていう策略、バレエを観に来てくださったお客さまに対して失礼というものです。(今度はノンナのセリフだ〜)
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129P シャッセ グラン・ジュッテ!! シャッセ
六花ちゃん、得意の右足だけの連続ジュッテにするため、ジュッテとジュッテの間にシャッセを入れた模様。
シャッセとは、脚注にあるように追いかける足さばきなのですが、もう少し分かりやすく説明すると、後ろ足は床をすりなが前脚のかかとを追いかける形のパです。シャッセは補助的なパなので、次の動きに移るためのつなぎ的な役目を果たします。もちろん、この場合はグラン・ジュッテとグラン・ジュッテをつなぐパです。六花ちゃんは、右足ジュッテだけを続けて舞台上手に到着するために、シャッセで距離をかせぎ、しかもシャッセでテンポを測り踏切を左足だけにして、結果、得意の右足ジュッテだけの連続跳躍にしたものと思われます。

まあ、小学生はまだそれほど身長もないので、それに比例して足も長くはない、よって、ジュッテで移動できる距離は限られてきますし、グラン・ジュッテは高さも必要なので、高く跳ぼうとすると飛距離が短くなってしまう、空中のポーズを美しく決めるにはそれだけ滞空時間が長いほうが望ましい・・・足は前後に180度近く開脚、足の甲を出して、顔はにこやかに客席を向く、あごを出しちゃいけない!!これじゃあ、上手が遠くなるはずだ・・・
134P あう〜橇がジェット・ボートなみのスピードだ
いいじゃないですか、鳥山先生。橇は早いほうが橇らしいですよ。
「くるみ割り人形」のバレエを観たことのある人ならお気づきでしょうが、この橇の場面、船でおかしの国へ旅立つ演出も多いですよね。実は、管理人は船がデフォルトでした^^ゞ

船でどんぶらこ〜どんぶらこ〜
船は船縁(ふなべり)が高いため、まず間違いなくクララと王子様は立って乗っています。
135P おとぎの国の連中 用意はいいか はい!
右からスペインの踊り(もしくはチョコレートの精)、中国の踊り(もしくはお茶の精)、アラブの踊り(もしくはコーヒーの精)、そしてロシアの踊り(もしくはトレパック)のダンサーです。中国の踊りは大変に技巧的な踊りで、キャラクター的な色合いが濃いのですが、こんぺい糖に次ぐ最終幕の見どころと管理人は思っております。
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162P バレリーナの手術の成功率はというのはスポーツより低いからなあ
これは、ひとえに臨床例が少ないためと思われます。スポーツでケガをすることは小学生でもよくあることですが、バレエでケガをするというのは、そこまで本格的に踊っていないと滅多にないことです。ましてや、手術を必要とするほどの大けがは、習い事レベルでは非常に珍しいことです。千花ちゃんは、習い事レベルをはるかに超えた、バレエ団公演でのアクシデントでした。
164P 評論家のM先生がね
文芸評論家のM浦M士さんが貝塚バレエ団の公演を見にきてたのかな?
※すいませ〜ん〜〜
ダ・ヴィンチ2004年9月号掲載の「瀕死の発表会」を見る限りでは、M氏とは三○雅○氏ではないみたいです。
知ったかぶりしてごめん^^ゞ(2004/8/9加筆)
167P 外国じゃバレエ学校に入る前に・・・略・・・だよな日本特有だな
そうはいいますが、習い事から発生している日本のバレエ事情では、身体の適性のある子だけを選んでいたら、経営的にバレエ教室は成り立ちません。「日本では、踊りたい人が踊っている」某大バレリーナのお言葉です。バレエ大国では、踊るべき人が踊っていると続くのですが、日本では舞踊手を育成する機関がすべて私的なお稽古から始まるので、踊りたい人が踊る現状はこれからも続くでしょう。
171P チョーコワ
「チョーコワ」とは、「超恐い」のことだということは、もちろん管理人でも分かりますが、何か「チョーコワ」ってロシア名みたいですね。「ノンナ、チョーコワ先生のレッスンよ!」って感じ。
180P へー プロ志望とか? プロ志望…
日本において、プロ志望というのは、有名なバレエ団に入団するということだろうと管理人は思っています。職業舞踊手という意味合いはあるのかなぁ。「うちの子、将来、バレリーナにするつもりなの」という御母様は、具体的には有名バレエ団に入れたいということだろう…かな?(歯切れの悪い文章ですね^_^;)
186P でなくてもこの子はすぐ易きに流れるんですから
これは、六花ちゃんに限ったことではないですよ。特に、平成の世の子供たちは親の愛をこれでもかと浴びていますし、御母様は全身全霊を込めて我が子を愛し抜いております。バレエの御母様はそれがもっとも顕著ということで。親が子供の行く手の困難を取り払って、石ころを全部取り除いてあげて、道をならしてあげて、背中を後ろから押してあげて。
188P うわー(ハート)「ドン・キホーテ」だあ
ドン・キホーテ、古典バレエの中でももっとも華やかで、かつ技巧的で、陽気で明るい舞台です。
粋でいなせなキトリ姉さんが、全編所狭しと情熱的に踊りまくります。

う〜ん、中学生が踊るにはちょっと早いかも^^;でも、発表会だし・・・(またまた歯切れが悪い)
189P 無論 研究所(うち)で全幕は無理だから
篠原先生、あいかわらず完璧主義ですね。指導者としては、埼玉バレコンで2位を取るような子が教室から出たら、その子を使って全幕に挑戦してみたいと思うところでしょうが。

篠原先生のいう「全幕」とは、いわゆる古典バレエの有名どころ、たとえば「白鳥の湖」「眠れる森の美女」「くるみ割り人形」あと、発表会としては上記の「ドン・キホーテ」「コッペリア」「リーズの結婚」「ジゼル」などのいわゆる幕ものを全幕公演することをいいます。

なにゆえ、「無理」などといっているのかとえば、ひとえに指導が大変だからです^^;
一般的なバレエ教室の生徒の年齢構成はピラミッド型で、低年齢の子ほど多く、学年が進むにつれてだんだん少なくなっていきます。多くは、中学進学、高校進学のときが、バレエを続けるかやめてしまうかの分岐点になります。
また、教室によって多少の差はありますが、トゥシューズクラスは小学校高学年くらいからになります。

全幕ものは、幕の切れ間があるとしても、ダンサーはほとんど舞台上に出ずっぱりで、群舞のダンサーは、ソリストが踊ってる間、ずっと同じポーズをとっていなければならないことが多く、また振り付け自体も単発の小曲よりも高度になります。
幼稚園児や低学年児童には無理があります。しかし、これらのお子さまを発表会に出演させないとなると…こ、恐くて書けない^^;

また、全幕ものは舞台装置も大がかりになり、幕ごとに背景も変わるので、費用もかさみます。篠原バレエ研究所には、男の子は6歳くらいの亜郎君しかいないので、(その後、入所した子がいるかもしれないけれど)当然、ゲスト男性ダンサーも何人か必要になります。ゲストダンサーにはもちろん出演料を払いますので、その分が発表会費用に加算されます。(しかし、教室によっては男性ダンサーと踊る子だけが出演料を出すところもある。)

幾多の困難を排しても、全幕に挑戦する先生は挑戦します。やはり、自分が育てた子たちで、自分の演出で全幕公演をするのは指導者冥利につきるといったところでしょう。できれば、オーケストラも入れたいと思う方もいるでしょうね。

篠原バレエ研究所は、大人の初心者クラスがありますので、その方たちも発表会には出演するだろうし、大人クラスの駅前カルチャーセンターの生徒さんも発表会に出演するとなると、全幕公演はその大人の初心者さんたちも舞台を経験できる絶好のチャンスと思われます。
なぜなら、全幕ものは演劇的要素も強くなるので、テクニック的な踊りが今ひとつの始めたばかりの方は、キャラクターとして衣装を身につけ、たとえば町娘とか、演技力がかなり必要となりますがサンチョ・パンサとかとして、踊りは少ないながらも舞台を踏めるのです。
大人の初心者クラスには、結構恰幅のいい方がおられるので、ご本人が嫌がらなければ、サンチョ・パンサの役などやってもらえれば、ゲストを呼ばなくてもよいので、篠原先生、助かるかも^^;

また、全幕公演は、大抵民族舞踊が入るので、トゥシューズでなくても見応えのある群舞になります。民族舞踊はダンスシューズや、長靴様のシューズになることが多く、衣装も華やかなので、大人から始めた方にはうってつけです。

バレエはやはり幕ものが本来の姿です。抜粋編でもご指導は大変でしょうが、どうぞ皆さんで、よい舞台を作り上げていってください。(って、だれに言ってるのかいな)
189P 一幕か二幕の抜粋編だけれどね
ドン・キホーテの一幕は、バルセロナの広場が舞台となっており、主な登場人物はキトリとバジル、ドン・キホーテにサンチョ・パンサ、キトリのお父さんのロレンツォと金持ちのガマーシュ。あとは町娘たち、闘牛士たちとなりますが、キトリを千花ちゃんに踊らせるとなると、町娘たちは篠原バレエ教室の中・高校生たちとなるのかな?高校生たちから文句が出なきゃいいけど^^;この幕をやるとしたら、金子先生は闘牛士と踊る踊り子の役になるでしょう。

二幕はここではいわゆる「夢の場」となっております。この場面はドン・キホーテの幻影なので、一転してロマンチックバレエとなります。この幕ではキトリは登場せず、ドン・キホーテの理想の姫君ドルシネア姫(キトリと二役)が登場し、森の中で妖精やキューピッドたちが幻想的な踊りを披露します。
この幕をやるとなると、ドルシネア姫は千花ちゃん、キューピッドは六花ちゃん、森の女王は金子先生となるから、ひえ〜またしても中高生たちはその他大勢になってしまう。「いい役は全部身内でかためるのよ、あそこのバレエ教室!」なんて、言われなきゃいいけどな^^;
「埼玉バレコンだって、自分ちの子しか出さないしさ!ホントはうちの子だって、出れるのに!!自分の子しかちゃんとレッスンしないのよ!自分の子のために発表会やるんだから、あそこは!フン=3」
(ラ抜き言葉で、全く根拠なし。鼻息で3メールほど飛ばされるほどの迫力)

篠原先生が「キューピッドのその他大勢」と言っていますので、キューピッドがたくさん出てきて、その中のリーダーのキューピッドがいわゆる「キューピッド」のヴァリエーションを踊る演出なのでしょう。

発表会は、だいたい基本になる版があって、その振り付けを踏襲しますが、生徒の力量、個性などにより、先生が振り付けを変えることもよくあります。先生によっては、発表会であることを考慮して、どの子も必ず一度は真ん中に来るように配慮した振り付けをしたり(移動が多くなるので、低年齢の子には厳しい)実力主義で、技量のある子が徹底して目立つ役だったり(群舞でありながら、衣装が他の子とは違ったり、ソロ部分が長かったり)御母様たちがけんかをしないように^^;同レベルの子には、全く同じ振り付けで2人一遍に踊らせたり。
いずれにせよ、発表会にはその先生の指導者としての考えや願い、方針がくっきり現れます。

わけも分からず始めたバレエも、一度発表会を経験すると、その教室の全体象がぼんやり見えてくることもあります。どうぞ、できるだけ長くバレエをお子さんと楽しんでください。
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以上、管理人のどうでもいいモノローグです^^ゞ (2003/12/30)

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